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あいち三河法務事務所の離婚・不倫相談室

夫婦関係や男女関係にまつわるお話です。

判例

4 10月

男女のパートナーシップに反して関係を解消した場合(判例)

前記の事実関係によれば,上告人と被上告人との関係は,昭和60年から平成13年に至るまでの約16年間にわたるものであり,両者の間には2人の子供が生まれ,時には,仕事の面で相互に協力をしたり,一緒に旅行をすることもあったこと,しかしながら,上記の期間中,両者は,その住居を異にしており,共同生活をしたことは全くなく,それぞれが自己の生計を維持管理しており,共有する財産もなかったこと,被上告人は上告人との間に2人の子供を出産したが,子供の養育の負担を免れたいとの被上告人の要望に基づく両者の事前の取決め等に従い,被上告人は2人の子供の養育には一切かかわりを持っていないこと,そして,被上告人は,出産の際には,上告人側から出産費用等として相当額の金員をその都度受領していること,上告人と被上告人は,出産の際に婚姻の届出をし,出産後に協議離婚の届出をすることを繰り返しているが,これは,生まれてくる子供が法律上不利益を受けることがないようにとの配慮等によるものであって,昭和61年3月に両者が婚約を解消して以降,両者の間に民法所定の婚姻をする旨の意思の合致が存したことはなく,かえって,両者は意図的に婚姻を回避していること,上告人と被上告人との間において,上記の関係に関し,その一方が相手方に無断で相手方以外の者と婚姻をするなどして上記の関係から離脱してはならない旨の関係存続に関する合意がされた形跡はないことが明らかである。
 
以上の諸点に照らすと,上告人と被上告人との間の上記関係については,婚姻及びこれに準ずるものと同様の存続の保障を認める余地がないことはもとより,上記関係の存続に関し,上告人が被上告人に対して何らかの法的な義務を負うものと解することはできず,被上告人が上記関係の存続に関する法的な権利ないし利益を有するものとはいえない。そうすると,上告人が長年続いた被上告人との上記関係を前記のような方法で突然かつ一方的に解消し,他の女性と婚姻するに至ったことについて被上告人が不満を抱くことは理解し得ないではないが,上告人の上記行為をもって,慰謝料請求権の発生を肯認し得る不法行為と評価することはできないものというべきである。



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30 9月

不倫当事者間での損害賠償請求が認められた判例

女性が、情交関係を結んだ当時男性に妻のあることを知っていたとしても、その一事によって、女性の男性に対する貞操等の侵害を理由とする慰謝料請求が、民法708条の法の精神に反して当然に許されないものと画一的に解すべきではない。 女性が、その情交関係を結んだ動機が主として男性の詐言を信じたことに原因している場合において、男性側の情交関係を結んだ動機その詐言の内容程度およびその内容についての女性の認識等諸般の事情を勘酌し、右情交関係を誘起した責任が主として男性にあり、女性の側におけるその動機に内在する不法の程度に比し、男性の側における違法性が著しく大きいものと評価できるときには、女性の男性に対する貞操等の侵害を理由とする慰謝料請求は許容されるべきであり、このように解しても民法708条に示された法の精神に反するものではないというべきである。

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21 5月

妊娠・中絶に関する重要な判例

妊娠・中絶をした女性から男性に対する損害賠償を認めた重要な判例をあげます。

難しい言い回しをしていますが、要するに、妊娠・中絶はともに行った性行為に原因があるのだから、その結果もたらされる妊娠・中絶による不利益・負担・苦しみも男女が分かち合わなくてはならないということです。

「本件妊娠に至る性行為は、原告と被告が共同して行う行為であるところ、同行為の結果、妊娠に至り、かつ、中絶を選択した場合に、直接的な身体的・精神的苦痛を受け、かつ、経済的負担を被らざるを得ないのは女性たる原告である。
 上記苦痛ないし負担は、もともとは、原告と被告とが共同で行った性行為に由来し、その結果として生じるものであるから、原告と被告とは等しく上記不利益を分担すべきものというべきであって、上記不利益を直接的に受ける原告は、被告から同不利益を軽減ないし解消するための行為の提供を受け、あるいは、原告と等しく不利益を分担すべき行為の提供を受ける法的利益を有し、この利益は原告の被告に対する法律上保護される利益といえ、被告は原告に対し上記行為を行う義務を負うものというべきである。
 そこで、被告が、上記不利益を軽減し、解消するための行為を行わず、あるいは、原告と等しく不利益を分担することをしない行為は、上記法律上保護される利益を違法に害するものとしての評価を受けることとなり、このような場合には、被告は損害賠償責任を免れないものというべきである。」

     
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20 4月

社内不倫に関する判例(3)

次の判例は、就業規則に基づき懲戒解雇処分を受けた女性が、解雇の無効を主張したことに対する判例で、解雇を無効としています。

 「が妻子あるAと男女関係を含む恋愛関係を継続することは、特段の事情のない限りその妻に対する不法行為となる上、社会的に非難される余地のある行為であるから、Y社の就業規則第23条2号の『従業員が素行不良で職場の風紀・秩序を乱した場合には懲戒をなし得る』の『素行不良』に該当しうることは一応否定できない。
 しかし、上記規則の『職場の風紀・秩序を乱した』とは、これが従業員の懲戒事由とされていることなどから、Y社の企業運営に具体的な影響を与えるものに限ると解すべきであるが、XとAの交際がY社の風紀・秩序を乱し、その企業運営に具体的な影響を与えたと認めるに足りる疎明はない。
 以上の次第で、本件解雇は、懲戒事由に該当する事実があるとはいえないから無効であり、他に主張・疎明のない本件においては、Xは依然としてY社の従業員たる地位を有するものである。

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18 4月

社内不倫に関する判例(2)

次の判例は、不倫という私的な行為が会社の懲戒処分の対象となるかについて考えるうえで、非常に参考になる判例です。

 「営利を目的とする会社が、その名誉、信用その他相当の社会的評価を維持することは、会社の存立ないし事業の運営にとって不可欠であるから、会社の社会的評価に重大な悪影響を与えるような従業員の行為については、それが職務遂行と直接関係のない私生活上で行われたものであっても、これに対して会社の規制を及ぼし得ることは当然認められなければならない。」として職務遂行と直接関係のない私生活上の行為であっても、懲戒処分の対象となりうることを明言しています。

そして、「従業員の不名誉な行為が会社の対面を著しく汚したというためには、必ずしも具体的な業務阻害の結果や取引上の不利益の発生を必要とするものではないが、当核行為の性質、情状のほか、会社の種類・態様・規模、会社の経済界に占める地位、経営方針及びその従業員の会社における地位・職種等諸般の事情から総合的に判断して、その行為により会社の社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると客観的に評価される場合でなければならない。」として、懲戒処分の対象となりうる場合に、絞りをかけています。

            
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